母乳育児は子どもの歯並びにも影響?口腔発達を支える授乳のちから
前回の記事では
8020を達成するためには
「歯を残すこと」だけでなく
噛み合わせや
歯列のバランスを整えることが大切
とお伝えしました
では、その「歯並び」は
いつから作られるのでしょうか?
実は、その始まりは
赤ちゃんの授乳期にあります

WHOやUNICEFも
母乳育児を2歳頃まで続けることを推奨しており
それには栄養面だけでなく
「口腔発達を支える理由」があるのです

今回は
母乳育児とお口の成長の関係を
歯科の視点からわかりやすく解説します!
皆さんの生活の
助けになれたら嬉しく思います
ぜひ、チェックしてみてください!

目次
⒈なぜ母乳育児が口腔発達に影響するのか?
⒉哺乳の違いが顎や歯列に与える影響
⒊口腔発達不全を防ぐための家庭での工夫
⒋8020につながる“はじまりのケア”とは
⒌まとめ:母乳育児は「噛める人生」への第一歩
★「8020」について
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★「むし歯」について
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★「歯周病」について
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⒈なぜ母乳育児が口腔発達に影響するのか?
母乳育児は
赤ちゃんにとって
あごや舌、口の筋肉を
自然に鍛えられるトレーニングです

乳首を吸うとき
赤ちゃんは舌を上あごに押しつけ
頬や唇の筋肉を使いながら動かします
この口の動きが
あごの成長を促すため
歯が並ぶスペースを確保するうえで
大切と言われています
また、母乳を吸うことで
「舌の正しい位置=上あごにつける状態」
が習慣になっていき
大人になった時に
歯並びに影響を与える癖
「舌突出癖」
「開咬(前歯が閉じない)」
これらの予防にもつながります
哺乳瓶では
簡単にミルクが出てしまうため

口の筋肉を
発達させることが難しいのです
WHOが
母乳育児を2歳まで推奨する背景には
こうした発達・機能の観点も含まれています
⒉哺乳の違いが顎や歯列に与える影響
哺乳瓶やおしゃぶりを
長く使用していると

舌が下方向に動く
「舌突出型の飲み込み」
この癖がつきやすいです
幼児期に入っても
舌の位置が上がらないと
あごの発育が
十分に進まないことがあります
その結果
歯列が狭くなってしまい
不正咬合が起こりやすくなります

一方で、母乳育児では
舌を上あごに押し付けて吸う力が必要なため
自然と舌・顎・頬の筋肉が鍛えられ
上あごを内側から広げる力もかかり
顎の幅が広がりやすく
歯が並ぶスペースが確保されやすいです
すべての子どもに
同じ影響が出るわけではないものの
「飲み方の違い」が
歯並びに関係することは
歯科の臨床現場でも実感しています
⒊口腔発達不全を防ぐための家庭での工夫
とはいえ
育児をするだけでも大変なのに
母乳育児までやるなんて…

と思われる方も多いはず!
実際は
母乳の出が良くならず
ミルクに切り替える方もいるはずです
私自身も二児の母ですが
大変苦労しながら
母乳育児をしてきました
母乳育児が出来なくても
口腔発達不全を防ぐには
日常生活での
小さな工夫をしていくことが
とても大切だと感じます
①授乳姿勢は「頭をやや高く・顔をまっすぐ」
顔をまっすぐにすることで
赤ちゃんは舌を上下にスムーズに動かせます
②哺乳瓶は、なるべく吸う力を使うタイプを選ぶ

乳首の形状が母乳に近く
舌が上あごに当たるような
深めの形のものがオススメです
③離乳食では「噛む」「もぐもぐする」形を意識する

離乳食に移行するときに
食べやすいものだけでなく
柔らかめのにんじんなど
潰す練習ができる形にして
食べさせてあげることで口が鍛えられます
④舌や唇を動かす遊び(お話・歌う)を取り入れる
近年は
スマホやタブレットの普及により
話さなくても
時間が過ごせる環境から
赤ちゃんも
「話す・歌う・笑う」
機会が減ってきています

家族や友達と
笑ったり、怒ったり
歌ったり、お話しする
当たり前のようですが
毎日の積み重ねはとても大きいです
母乳育児だけでなく
こうした習慣の積み重ねが
あごの成長や歯並び形成につながります
⒋8020につながる“授乳期のケア”とは
8020を目指すには
歯を「長く残す」だけでなく
「正しく使える歯」を育てることが大切です
80歳まで
健康な口を保つには
機能的にも健康である必要があります
授乳期から取り組めることは
乳児期の口腔発達を促すことなのです
母乳育児で鍛えられた
顎の力や舌の動きは
その後の
噛む力・発音・飲み込む機能へとつながり
「噛める」
「話せる」
「笑える」
口の基礎をつくります
まさに、母乳育児は
「8020のスタートライン」ともいえるのです!

⒌まとめ:母乳育児は「噛める人生」への第一歩
母乳育児には栄養だけでなく
「口の発達を支える大きな役割」があります

あごや舌の自然な動きが促されることで
歯列が整いやすく
将来の
不正咬合や口腔機能の低下を
防ぐ助けになります
赤ちゃんの時期に育つ「口の力」は
生涯を通して「生きる力」へとつながります
歯科医院では
授乳期や離乳期の口の動きを
定期検診で見守りながら
家族全体で
8020を目指していきましょう!
気になることがあれば
ぜひお気軽にご相談くださいね♪

以上です
てらむら歯科では
定期的な検診・クリーニングをお勧めしております
歯の健康=全身の健康です
